契約と書類
NDAから最終契約まで

M&Aは、
書類の順番でできている。
M&Aでは、話が進むたびに新しい書類や契約が出てきます。
大事なのは順番と、それぞれをだれが作って、何のために使うかです。
最終契約でよく出てくる3つの約束も、あわせて覚えましょう。
- 書類の順番と、だれが作るのか
- 基本合意(MOU)で決めること
- 表明保証・ロックアップ・アーンアウトの意味
Q1書類はどんな順番で出てくるの?
順番はNDA → ノンネームシート → IM → LOI → MOU → DD → SPA → クロージングです。初級の「仲介業務の流れ」で見た図と同じ流れです。

NDA(秘密保持契約)は、決算書などの大事な情報を受け取る前に結びます。売り手とも、買い手候補とも結びます。
ノンネームシートは社名を伏せた1枚の概要で、買い手候補が興味を持つか確かめるために使います。ティーザーとも呼ばれます。興味がある会社にだけ、NDAのあとで詳しいIM(企業概要書)を渡します。
LOI(意向表明書)は、買い手が「この値段・この方法・この日程で買いたい」と示す書類です。

Q2基本合意(MOU)では何を決めるの?

MOUで大事なのが独占交渉権です。一定の期間、売り手はほかの買い手とは話を進めないと約束します。買い手は安心してDDにお金と時間をかけられます。
一方で、値段などの条件は多くの場合、法的な拘束力を持たせません。DDで分かったことによって、条件が変わる可能性があるからです。
Q3最終契約(SPA)では、どんな約束をするの?
DDが終わると、売り手と買い手は最終契約書(SPA)を結びます。中小企業では株を売り買いする形が多いので、株式譲渡契約とも呼ばれます。その中でよく出てくる約束が3つあります。

表明保証は、売り手が「出した資料や会社の状況は本当です」と約束するものです。あとで違っていたら、買い手にお金で補うことになります。
ロックアップは、売ったあとも社長が一定期間(6か月〜3年ほど)会社に残って、取引先や社員への引き継ぎをする取り決めです。
アーンアウトは、売ったあとの業績が良ければ、買い手が追加でお金を払う約束です。「将来もっと伸びる」と考える売り手と、慎重な買い手の考えの差を埋めるのに使います。
SPAを結んだら、株と代金を受け渡すクロージングで、M&Aが成立します。
「M&Aで使う書類を、順番に説明してください」と聞かれたら
順番に加えて「だれが出すか」を1つ入れると、理解の深さが伝わります。
まず情報を受け取る前に秘密保持契約(NDA)を結び、社名を伏せたノンネームシートで買い手候補の関心を確かめます。
関心がある会社には企業概要書(IM)を渡し、買い手が意向表明書(LOI)を出します。
条件の大枠を基本合意(MOU)で決め、買い手がデューデリジェンスを行ったあと、最終契約(SPA)を結び、クロージングで成立します。
ポイント表明保証・ロックアップ・アーンアウトは上級の問題でもよく出ます。「売り手が会社の状況は本当だと約束するのが表明保証」のように、1文で言えるようにしておきましょう。
まとめ
- NDA → ノンネームシート → IM → LOI → MOU → DD → SPA → クロージング
- ノンネームシートとIMは仲介会社が作る。LOIは買い手が出す
- MOUの中心は独占交渉権。条件そのものは多くの場合、法的な拘束力なし
- 表明保証=状況は本当と約束、ロックアップ=社長が残って引き継ぐ、アーンアウト=業績しだいで追加払い