CariBell
上級14本中 13本目約4分

業務を深掘り

3つのフェーズで「誰が・何を」するか(DDの種類まで)

ルート君

DDをするのは、
仲介会社ではない。
買い手が頼んだ専門家だ。

初級のレッスン「仲介業務の流れ」で、M&Aの仕事が3つの段階に分かれることを学びました。

このレッスンでは一歩進んで、それぞれの段階で、誰が何をするのかを押さえます。

面接でも「DDとは何か」「誰がやるのか」はよく聞かれます。

この記事でわかること
  • 売り手とは、どこで出会うのか
  • DDの種類と、それぞれを調べる専門家
  • DDの間の、売り手・買い手・仲介会社の役割

Q1売り手とは、どこで出会うの?

入口は大きく2つ。自分で電話や手紙を出して社長に会いに行く自社開拓と、ほかの人からの紹介です。

売り手とは、どこで出会う? 自分で電話・手紙:社長に直接アプローチ。銀行・信用金庫:取引先の社長を紹介してもらう。会計事務所(税理士):顧問先の社長を紹介してもらう。事業承継・引継ぎ支援センター:国の相談窓口から紹介。入口は自分の開拓と、紹介の2つ。

社長と会えたら、まず悩みと希望を聞きます。「いつまでに」「いくらで」「社員の雇用は守りたい」「社名は残したい」など、社長が大事にしていることを確かめます。

  1. 秘密保持契約(NDA)を結ぶ
  2. 直近3期分の決算書・税務申告書、株主名簿、借入の一覧などを預かる
  3. かんたんな企業評価で、値段の目安を示す
  4. アドバイザリー契約(仲介を正式に依頼してもらう)
  5. 買い手に見せる資料を作る:ノンネームシート(社名を伏せた概要)と企業概要書(IM)

Q2マッチングでは、誰が何をするの?

仲介会社は、同業や近い事業の会社、組めば伸びそうな会社を買い手候補のリストにします。ノンネームシートで関心を確かめ、関心がある会社とだけNDAを結んでIMを渡し、質問に答えていきます。

そのあと、売り手と買い手の社長同士が会うトップ面談。考え方や人柄、買ったあとの方針を確かめ合います。

買う気持ちが固まったら、買い手が希望の値段や条件を書いた意向表明書(LOI)を出します。何社も手を挙げたら、売り手が比べて相手を選びます。

Q3DDって、誰が何を調べるの?

あなたDDって、仲介会社の人が調べるんですか?
ルート君
ルート君そこがよくある勘違い。DDは買い手がお金を出して、外部の専門家に頼むんだ。分野ごとに担当する専門家が違うよ。

基本合意(MOU)のあと、買い手は会社の中身を細かく調べます。これがデューデリジェンス(DD)、日本語では買収監査です。

DDの種類と、調べる人。財務DD(公認会計士):お金の実態・本当のもうけ・帳簿にない借金。税務DD(税理士):申告漏れ・あとから取られる税金。法務DD(弁護士):契約・許認可・裁判。労務DD(社会保険労務士):未払残業代・社会保険。ビジネスDD(買い手やコンサル):市場・競合・事業計画。業種によって、IT・不動産・環境も調べる。

法務DDでよく見るのが、チェンジ・オブ・コントロール条項です。「株主が変わったら契約を解除できる」という約束で、大事な取引先との契約にこれがあると、買ったあとに取引がなくなるおそれがあります。

Q4DDの間、それぞれは何をしているの?

DDの間、それぞれの役割。買い手:専門家に頼んで会社を調べる(費用も買い手)。売り手:資料をそろえて出し、質問に答える。仲介会社:日程と資料のやりとりの窓口・進行役。DDをするのは、仲介会社ではなく買い手側の専門家。

大きな会社が買い手のときは、自分たちの助言役としてFA(ファイナンシャル・アドバイザー)を別に付けることもあります。売り手が売る前に自分で専門家に調べてもらうセラーズDDというやり方もあります。

Q5DDで問題が見つかったら、どうなるの?

DDで問題が見つかったら。1 値段を下げる。2 契約の約束で守る(表明保証・補償)。3 引き渡しの前に直す(例:未払残業代を払う)。4 最悪の場合は、話がなくなる(破談)。問題の大きさによって、組み合わせて対応する。
あなたせっかくここまで来たのに、話がなくなることもあるんですね。
ルート君
ルート君だから最初の面談で、言いにくいことも早めに聞いておくんだ。あとから出てくるほど、まとめるのが大変になるからね。
面接ではこう話そう

「DDとは何で、誰が行うのですか?」と聞かれたら

役割分担まで言えると、一段上の理解だと伝わります。

DDは買収監査のことで、基本合意のあとに買い手が費用を出し、外部の専門家に依頼して行います。

財務は公認会計士、税務は税理士、法務は弁護士、労務は社会保険労務士が担当し、事業の見通しは買い手自身やコンサルが確かめます。

売り手は資料を出して質問に答え、仲介会社は窓口と進行役を務めます。

ポイント「仲介会社がDDをする」と答えてしまう人が多いので、ここを正しく言えるだけで差がつきます。

まとめ

  • 売り手との出会いは、自社開拓(電話・手紙)と紹介(銀行・会計事務所・支援センター)
  • LOI(意向表明書)を出すのは買い手
  • DDは買い手が専門家に依頼する。財務=会計士、税務=税理士、法務=弁護士、労務=社労士、ビジネス=買い手やコンサル
  • DDの間、売り手は資料を出して答え、仲介会社は窓口と進行役
  • 問題が見つかったら、値下げ・契約の約束・事前に直す・破談のどれか

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