業務を深掘り
3つのフェーズで「誰が・何を」するか(DDの種類まで)

DDをするのは、
仲介会社ではない。
買い手が頼んだ専門家だ。
初級のレッスン「仲介業務の流れ」で、M&Aの仕事が3つの段階に分かれることを学びました。
このレッスンでは一歩進んで、それぞれの段階で、誰が何をするのかを押さえます。
面接でも「DDとは何か」「誰がやるのか」はよく聞かれます。
- 売り手とは、どこで出会うのか
- DDの種類と、それぞれを調べる専門家
- DDの間の、売り手・買い手・仲介会社の役割
Q1売り手とは、どこで出会うの?
入口は大きく2つ。自分で電話や手紙を出して社長に会いに行く自社開拓と、ほかの人からの紹介です。

社長と会えたら、まず悩みと希望を聞きます。「いつまでに」「いくらで」「社員の雇用は守りたい」「社名は残したい」など、社長が大事にしていることを確かめます。
- 秘密保持契約(NDA)を結ぶ
- 直近3期分の決算書・税務申告書、株主名簿、借入の一覧などを預かる
- かんたんな企業評価で、値段の目安を示す
- アドバイザリー契約(仲介を正式に依頼してもらう)
- 買い手に見せる資料を作る:ノンネームシート(社名を伏せた概要)と企業概要書(IM)
Q2マッチングでは、誰が何をするの?
仲介会社は、同業や近い事業の会社、組めば伸びそうな会社を買い手候補のリストにします。ノンネームシートで関心を確かめ、関心がある会社とだけNDAを結んでIMを渡し、質問に答えていきます。
そのあと、売り手と買い手の社長同士が会うトップ面談。考え方や人柄、買ったあとの方針を確かめ合います。
買う気持ちが固まったら、買い手が希望の値段や条件を書いた意向表明書(LOI)を出します。何社も手を挙げたら、売り手が比べて相手を選びます。
Q3DDって、誰が何を調べるの?

基本合意(MOU)のあと、買い手は会社の中身を細かく調べます。これがデューデリジェンス(DD)、日本語では買収監査です。

法務DDでよく見るのが、チェンジ・オブ・コントロール条項です。「株主が変わったら契約を解除できる」という約束で、大事な取引先との契約にこれがあると、買ったあとに取引がなくなるおそれがあります。
Q4DDの間、それぞれは何をしているの?

大きな会社が買い手のときは、自分たちの助言役としてFA(ファイナンシャル・アドバイザー)を別に付けることもあります。売り手が売る前に自分で専門家に調べてもらうセラーズDDというやり方もあります。
Q5DDで問題が見つかったら、どうなるの?


「DDとは何で、誰が行うのですか?」と聞かれたら
役割分担まで言えると、一段上の理解だと伝わります。
DDは買収監査のことで、基本合意のあとに買い手が費用を出し、外部の専門家に依頼して行います。
財務は公認会計士、税務は税理士、法務は弁護士、労務は社会保険労務士が担当し、事業の見通しは買い手自身やコンサルが確かめます。
売り手は資料を出して質問に答え、仲介会社は窓口と進行役を務めます。
ポイント「仲介会社がDDをする」と答えてしまう人が多いので、ここを正しく言えるだけで差がつきます。
まとめ
- 売り手との出会いは、自社開拓(電話・手紙)と紹介(銀行・会計事務所・支援センター)
- LOI(意向表明書)を出すのは買い手
- DDは買い手が専門家に依頼する。財務=会計士、税務=税理士、法務=弁護士、労務=社労士、ビジネス=買い手やコンサル
- DDの間、売り手は資料を出して答え、仲介会社は窓口と進行役
- 問題が見つかったら、値下げ・契約の約束・事前に直す・破談のどれか