財務と企業価値
決算書の読み方と値段の決め方

会社の値段の目安は、
純資産+もうけの
3〜5年分。
M&Aでは、社長から必ず「うちの会社はいくらで売れるの?」と聞かれます。
答えるには、決算書の読み方と、値段の決め方を知っておく必要があります。
むずかしい計算より、まずは考え方を押さえましょう。
- 決算書の2つの表(PLとBS)の違い
- 会社の値段の目安を出す「年買法」とEBITDA
- 株式譲渡と事業譲渡の違い、社長にかかる税金
Q1決算書は、どこを見ればいいの?
まず押さえるのは2つの表です。損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)です。

PLは1年間の成績表で、どれだけ売って、どれだけもうかったかが分かります。BSはある1日の財産の一覧で、持っているもの(資産)と、借金など(負債)、その差(純資産)が分かります。
もう1つよく出てくる言葉がEBITDA(イービッダー)です。営業利益+減価償却費で、本業がどれだけお金を生み出しているかを表します。

Q2会社の値段は、どうやって決めるの?
中小企業のM&Aで社長への説明によく使うのが年買法(年倍法)です。

今ある財産の価値(時価純資産)に、もうけの3〜5年分を足します。「この会社を買えば、何年分のもうけが手に入るか」という考え方です。
- EBITDA倍率:EBITDAの何倍かで考える。中小企業では3〜5倍が目安
- 類似会社比較法:同じ業種の上場企業の倍率を参考にする
- DCF法:将来生み出すお金を、今の価値に直して合計する
実際の値段は、業種や成長性、買い手が組むことで生まれる効果(シナジー)によって上下します。最後は売り手と買い手の交渉で決まります。
Q3社長が受け取るお金は、会社の値段と同じ?

事業そのものの値段(企業価値)から、借入金を引いて現預金を足したものが株式価値です。株を売る社長が受け取る値段は、この株式価値の考え方で決まります。

Q4株式譲渡と事業譲渡は何が違うの?

中小企業で一番多いのは株式譲渡です。会社はそのままで持ち主だけが変わるので、取引先との契約や許認可もそのまま引き継げます。
もう1つ大事なのが経営者保証です。中小企業の社長は、会社の借入に個人で保証を付けていることが多く、M&Aのときにこれを外せるかどうかは、社長にとって大きな関心ごとです。
「会社の値段はどうやって決まるのですか?」と聞かれたら
代表的な方法を1つ、具体的に言えれば十分です。
中小企業では、時価純資産に営業利益の3〜5年分を足す年買法で目安を出すことが多いと理解しています。
EBITDAの3〜5倍で考える方法もあります。
そこから借入金を引いて現預金を足したものが株式価値で、最終的には業種や成長性、買い手とのシナジーを踏まえた交渉で決まります。
ポイント簿記の勉強中なら「いま簿記2級を勉強していて、決算書が読めるようにしています」と添えると、入社後の伸びしろとして評価されます。
まとめ
- PL=1年間の成績表、BS=ある1日の財産の一覧。EBITDA=営業利益+減価償却費
- 年買法=時価純資産+営業利益の3〜5年分。EBITDAの3〜5倍も目安
- 企業価値−(借入金−現預金)=株式価値(社長が受け取る値段の考え方)
- 中小企業は株式譲渡が中心。個人の社長の税率は約20.315%。経営者保証の解除も大事