CariBell
上級14本中 14本目約4分

財務と企業価値

決算書の読み方と値段の決め方

ルート君

会社の値段の目安は、
純資産+もうけの 3〜5年分。

M&Aでは、社長から必ず「うちの会社はいくらで売れるの?」と聞かれます。

答えるには、決算書の読み方と、値段の決め方を知っておく必要があります。

むずかしい計算より、まずは考え方を押さえましょう。

この記事でわかること
  • 決算書の2つの表(PLとBS)の違い
  • 会社の値段の目安を出す「年買法」とEBITDA
  • 株式譲渡と事業譲渡の違い、社長にかかる税金

Q1決算書は、どこを見ればいいの?

まず押さえるのは2つの表です。損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)です。

決算書の2つの表。損益計算書(PL):1年間の成績表。売上、かかったお金、利益。貸借対照表(BS):ある日の財産の一覧。資産、負債(借金など)、純資産。PLは1年間の動き、BSはある1日の写真。

PLは1年間の成績表で、どれだけ売って、どれだけもうかったかが分かります。BSはある1日の財産の一覧で、持っているもの(資産)と、借金など(負債)、その差(純資産)が分かります。

もう1つよく出てくる言葉がEBITDA(イービッダー)です。営業利益+減価償却費で、本業がどれだけお金を生み出しているかを表します。

あなた減価償却費をわざわざ足すのはなぜですか?
ルート君
ルート君減価償却費は、昔買った機械などの費用を毎年分けて計上しているだけで、その年に現金が出ていくわけじゃないんだ。足し戻すと、本当に稼いでいる力が見えるよ。

Q2会社の値段は、どうやって決めるの?

中小企業のM&Aで社長への説明によく使うのが年買法(年倍法)です。

年買法で値段の目安を出す。時価純資産+営業利益×3〜5年分=会社の値段の目安。例:時価純資産1億円、営業利益3,000万円×3〜5年=9,000万〜1.5億円、目安=1.9億〜2.5億円。社長への説明で一番よく使われる、かんたんな方法。

今ある財産の価値(時価純資産)に、もうけの3〜5年分を足します。「この会社を買えば、何年分のもうけが手に入るか」という考え方です。

  1. EBITDA倍率:EBITDAの何倍かで考える。中小企業では3〜5倍が目安
  2. 類似会社比較法:同じ業種の上場企業の倍率を参考にする
  3. DCF法:将来生み出すお金を、今の価値に直して合計する

実際の値段は、業種や成長性、買い手が組むことで生まれる効果(シナジー)によって上下します。最後は売り手と買い手の交渉で決まります。

Q3社長が受け取るお金は、会社の値段と同じ?

会社の値段と、社長が受け取るお金。企業価値(事業の値段)3億円 − 借入金1億円 + 現預金0.5億円 = 株式価値(社長が受け取る値段)2.5億円。企業価値−(借入金−現預金)=株式価値。数字は例。

事業そのものの値段(企業価値)から、借入金を引いて現預金を足したものが株式価値です。株を売る社長が受け取る値段は、この株式価値の考え方で決まります。

あなた借金が多い会社だと、社長の手元に残るお金は減るんですね。
ルート君
ルート君その通り。それと、帳簿に載っていない借金(簿外債務)、たとえば未払いの残業代があると、DDで見つかって値段が下がることもあるよ。

Q4株式譲渡と事業譲渡は何が違うの?

株式譲渡と事業譲渡。株式譲渡:会社ごと持ち主が変わる、手続きがシンプル、中小企業のM&Aで一番多い。事業譲渡:事業や資産を選んで売る、契約や許認可を移し直す手間がある。個人の社長が株を売ったときの税率は約20.315%。

中小企業で一番多いのは株式譲渡です。会社はそのままで持ち主だけが変わるので、取引先との契約や許認可もそのまま引き継げます。

20.315%個人の社長が株を売ったときの税率(所得税・住民税・復興特別所得税)

もう1つ大事なのが経営者保証です。中小企業の社長は、会社の借入に個人で保証を付けていることが多く、M&Aのときにこれを外せるかどうかは、社長にとって大きな関心ごとです。

面接ではこう話そう

「会社の値段はどうやって決まるのですか?」と聞かれたら

代表的な方法を1つ、具体的に言えれば十分です。

中小企業では、時価純資産に営業利益の3〜5年分を足す年買法で目安を出すことが多いと理解しています。

EBITDAの3〜5倍で考える方法もあります。

そこから借入金を引いて現預金を足したものが株式価値で、最終的には業種や成長性、買い手とのシナジーを踏まえた交渉で決まります。

ポイント簿記の勉強中なら「いま簿記2級を勉強していて、決算書が読めるようにしています」と添えると、入社後の伸びしろとして評価されます。

まとめ

  • PL=1年間の成績表、BS=ある1日の財産の一覧。EBITDA=営業利益+減価償却費
  • 年買法=時価純資産+営業利益の3〜5年分。EBITDAの3〜5倍も目安
  • 企業価値−(借入金−現預金)=株式価値(社長が受け取る値段の考え方)
  • 中小企業は株式譲渡が中心。個人の社長の税率は約20.315%。経営者保証の解除も大事

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