仲介業務の流れ
ソーシング・マッチング・エグゼキューション

電話300件から始まって、
数億円の契約で終わる仕事。
M&A仲介の仕事は、会社を売りたい社長と、買いたい会社をつなぐことです。
最初の電話から契約が決まるまで、だいたい半年から1年かかります。
その間にやることは、3つの段階に分かれています。
- 3つの段階で、それぞれ何をするのか
- 1件の成約までに、どれくらい動くのか
- 面接で「仕事の流れ」を聞かれたときの答え方

Q1最初の「ソーシング」では何をするの?

ソーシングは、売りたい社長を見つける段階です。流れはこうなります。
- 電話・手紙で社長にアプローチする
- 社長と会って、M&Aの仕組みを説明する
- 秘密保持契約(NDA)を結んで、決算書などを預かる
- 会社の値段の目安を出す(企業評価)
- 「売却のお手伝い」の契約を結ぶ(アドバイザリー契約)
ゴールは最後の契約です。ここで初めて、正式に「この会社の売却を任された」状態になります。


300件は「1日の件数」ではなく、社長1人に会えるまでの合計の目安です。1日の電話の量は開拓のしかたで違い、電話中心の会社は1日300〜500件(未経験の1年目は当たり前)、手紙や訪問が中心の会社は50〜100件くらい、紹介やネットワークが中心で電話をほとんどしない会社もあります(初級「仕事のリアル」で詳しく扱います)。
Q2次の「マッチング」では何をするの?
マッチングは、買いたい会社を見つけて、引き合わせる段階です。
ここで大事なのは、最初は社名を出さないこと。「会社を売ろうとしている」と社員や取引先に知られると、会社が揺らいでしまうからです。

興味を持った会社にだけ秘密を守る約束をしてもらい、少しずつ詳しい情報を出していきます。最後に、売る社長と買う会社の社長が直接会うトップ面談を開きます。

Q3最後の「エグゼキューション」では何をするの?
エグゼキューションは、条件を決めて、契約する段階です。ここからは書類が次々に出てきます。

買い手が「この条件で買いたい」と意向表明書(LOI)を出し、売り手が受け入れると基本合意書(MOU)を結びます。
そのあと買い手は、会計士や弁護士と一緒に会社の中身を細かく調べます。これがデューデリジェンス(DD)、いわば買う前の健康診断です。
問題がなければ最終契約書(SPA)を結び、お金と株を交換して完了。これをクロージングと呼びます。
DDの種類(財務・法務・労務など)と、それぞれ誰が何を調べるのかは、上級のレッスン「業務を深掘り」で詳しく扱います。面接では「買う前の健康診断」と説明できれば十分です。
Q4仲介会社にお金が入るのはいつ?
報酬の大部分は、M&Aが成立したとき(クロージング)に入ります。これを成功報酬といいます。
会社によっては、依頼を受けたときの着手金や、基本合意のときの中間金をもらうところもあります。

クロージングのあとは、2つの会社が1つのチームとして動けるようにする統合作業(PMI)が続きます。ここは主に買い手が進めます。
「M&A仲介の仕事の流れを説明してください」と聞かれたら
30秒でこう答えられれば十分です。
大きく3つの段階があります。
まずソーシングで、電話や手紙で売りたい社長を見つけ、売却の依頼を受けます。
次にマッチングで、社名を伏せて買い手を探し、トップ面談で引き合わせます。
最後にエグゼキューションで、意向表明、基本合意、デューデリジェンスを経て最終契約を結び、クロージングで成立します。
報酬の多くは、成立したときの成功報酬です。
ポイント最後に「特にソーシングの行動量は、前職の新規開拓の経験を生かせると考えています」と自分の話につなげると、ただの暗記に見えません。
まとめ
- M&A仲介は「ソーシング → マッチング → エグゼキューション」の3段階。半年〜1年かかる
- ソーシングは電話・手紙300件で社長1人が目安。行動量の勝負
- 書類の順番は NDA → IM → LOI → MOU → DD → SPA → クロージング
- 報酬の多くは、成立したときの成功報酬