CariBell
初級14本中 4本目約5分

仲介業務の流れ

ソーシング・マッチング・エグゼキューション

ルート君

電話300件から始まって、
数億円の契約で終わる仕事。

M&A仲介の仕事は、会社を売りたい社長と、買いたい会社をつなぐことです。

最初の電話から契約が決まるまで、だいたい半年から1年かかります。

その間にやることは、3つの段階に分かれています。

この記事でわかること
  • 3つの段階で、それぞれ何をするのか
  • 1件の成約までに、どれくらい動くのか
  • 面接で「仕事の流れ」を聞かれたときの答え方
M&A仲介の仕事は3つの段階。最初の電話から契約まで半年〜1年。1 ソーシング:売りたい社長を見つける。2 マッチング:買いたい会社を見つけて、引き合わせる。3 エグゼキューション:条件を決めて、契約する。お金(成功報酬)が入るのは、契約が成立したとき。

Q1最初の「ソーシング」では何をするの?

あなたいきなり社長に「会社を売りませんか」って電話するんですか?
ルート君
ルート君そう。多くの会社では、自分で電話や手紙を出して、社長に会いに行くところから始まるんだ。

ソーシングは、売りたい社長を見つける段階です。流れはこうなります。

  1. 電話・手紙で社長にアプローチする
  2. 社長と会って、M&Aの仕組みを説明する
  3. 秘密保持契約(NDA)を結んで、決算書などを預かる
  4. 会社の値段の目安を出す(企業評価)
  5. 「売却のお手伝い」の契約を結ぶ(アドバイザリー契約)

ゴールは最後の契約です。ここで初めて、正式に「この会社の売却を任された」状態になります。

300件社長1人に会えるまでの、電話・手紙の目安
1件の成約までの目安。300件:電話・手紙で社長にアプローチ。1件:社長と会える。20回会って1件:売却の依頼をもらう(アドバイザリー契約)。5件の依頼で1件:成約(M&Aが成立)。※目安。会社や地域によって違います。
あなた300件で1件…。断られるほうが圧倒的に多いんですね。
ルート君
ルート君だから面接では「断られても動き続けられるか」をよく聞かれるんだ。前の仕事の数字で答えられると強いよ。

300件は「1日の件数」ではなく、社長1人に会えるまでの合計の目安です。1日の電話の量は開拓のしかたで違い、電話中心の会社は1日300〜500件(未経験の1年目は当たり前)、手紙や訪問が中心の会社は50〜100件くらい、紹介やネットワークが中心で電話をほとんどしない会社もあります(初級「仕事のリアル」で詳しく扱います)。

Q2次の「マッチング」では何をするの?

マッチングは、買いたい会社を見つけて、引き合わせる段階です。

ここで大事なのは、最初は社名を出さないこと。「会社を売ろうとしている」と社員や取引先に知られると、会社が揺らいでしまうからです。

買い手探しは、社名を隠して始まる。1 ノンネームシート:社名を隠した、1枚の紹介文。2 秘密保持契約(NDA):秘密を守ると約束してもらう。3 企業概要書(IM):会社の詳しい説明書を渡す。4 トップ面談:売る社長と買う会社の社長が会う。興味がある会社にだけ、少しずつ情報を出す。

興味を持った会社にだけ秘密を守る約束をしてもらい、少しずつ詳しい情報を出していきます。最後に、売る社長と買う会社の社長が直接会うトップ面談を開きます。

あなた社長同士が会って、相性を見るんですね。
ルート君
ルート君値段と同じくらい大事なのが相性。「この人になら社員を任せられる」と思えるかどうかで、話が決まることも多いんだ。

Q3最後の「エグゼキューション」では何をするの?

エグゼキューションは、条件を決めて、契約する段階です。ここからは書類が次々に出てきます。

書類の順番を覚えよう。NDA 秘密保持契約「秘密を守ります」。IM 企業概要書「会社の詳しい説明書」。LOI 意向表明書「この条件で買いたいです」。MOU 基本合意書「この方向で進めましょう」。DD デューデリジェンス「買う前の会社の健康診断」。SPA 最終契約書「正式に売り買いを決める」。完了 クロージング「お金と株を交換して成立」。

買い手が「この条件で買いたい」と意向表明書(LOI)を出し、売り手が受け入れると基本合意書(MOU)を結びます。

そのあと買い手は、会計士や弁護士と一緒に会社の中身を細かく調べます。これがデューデリジェンス(DD)、いわば買う前の健康診断です。

問題がなければ最終契約書(SPA)を結び、お金と株を交換して完了。これをクロージングと呼びます。

DDの種類(財務・法務・労務など)と、それぞれ誰が何を調べるのかは、上級のレッスン「業務を深掘り」で詳しく扱います。面接では「買う前の健康診断」と説明できれば十分です。

Q4仲介会社にお金が入るのはいつ?

報酬の大部分は、M&Aが成立したとき(クロージング)に入ります。これを成功報酬といいます。

会社によっては、依頼を受けたときの着手金や、基本合意のときの中間金をもらうところもあります。

あなた途中で話がなくなったら…?
ルート君
ルート君成功報酬は入らない。半年かけた案件が最後に止まることもあるから、最後まで走り切る力がいるんだ。

クロージングのあとは、2つの会社が1つのチームとして動けるようにする統合作業(PMI)が続きます。ここは主に買い手が進めます。

面接ではこう話そう

「M&A仲介の仕事の流れを説明してください」と聞かれたら

30秒でこう答えられれば十分です。

大きく3つの段階があります。

まずソーシングで、電話や手紙で売りたい社長を見つけ、売却の依頼を受けます。

次にマッチングで、社名を伏せて買い手を探し、トップ面談で引き合わせます。

最後にエグゼキューションで、意向表明、基本合意、デューデリジェンスを経て最終契約を結び、クロージングで成立します。

報酬の多くは、成立したときの成功報酬です。

ポイント最後に「特にソーシングの行動量は、前職の新規開拓の経験を生かせると考えています」と自分の話につなげると、ただの暗記に見えません。

まとめ

  • M&A仲介は「ソーシング → マッチング → エグゼキューション」の3段階。半年〜1年かかる
  • ソーシングは電話・手紙300件で社長1人が目安。行動量の勝負
  • 書類の順番は NDA → IM → LOI → MOU → DD → SPA → クロージング
  • 報酬の多くは、成立したときの成功報酬

← M&A仲介の一覧に戻る