営業の分業
マーケ・IS・FS・CSのバトンリレー

1人で全部はやらない。
営業はバトンリレー。
多くのSaaSの会社では、営業の仕事を4つの持ち場に分けています。
見込み客を集めるマーケティング、商談をつくるインサイドセールス、受注まで進めるフィールドセールス、契約した後に使いこなしてもらうカスタマーサクセスです。
この型は「The Model(ザ・モデル)」と呼ばれ、日本では2019年に出た同じ名前の本で広まりました。
- 4つの持ち場の役割と追う数字
- 分業のよいところと、むずかしいところ
- SaaS以外の会社との働き方の違い
Q14つの持ち場は、それぞれ何をするの?


| 持ち場 | 何をする | 追う数字(例) |
|---|---|---|
| マーケティング | 広告・展示会・オンラインのセミナー・資料のダウンロードで見込み客を集める | 見込み客の数、1件を集める費用 |
| インサイドセールス(IS) | 問い合わせへの対応や、狙った会社への電話・メール・手紙で商談をつくる | 商談の数、商談になった割合 |
| フィールドセールス(FS) | 商談で課題を聞き、提案・見積もり・お客さん社内の決裁を支えて受注する | 受注の数と金額、受注できた割合 |
| カスタマーサクセス(CS) | 導入を支え、使いこなしてもらい、解約を防ぎ、追加の契約につなげる | 解約率、更新した割合、追加の売上 |
会社によって呼び名や分け方は違います。FSはAE(アカウントエグゼクティブ)とも呼ばれます。
ISには2つの型があります。問い合わせや資料請求をした人にすばやく連絡する反響型(SDR)と、まだつながりのない狙った会社に自分から当たる新規開拓型(BDR)です。
Q2分業のよいところと、むずかしいところは?
よいところは、持ち場ごとに数字がはっきりするので、どこで詰まっているかが見えやすいことです。見込み客→商談→受注→解約・追加契約の数字を、毎週・毎月確かめるのが一般的です。
むずかしいところもあります。自分の持ち場の数字だけを追うと、全体の利益が見えなくなります。引き渡しのルールがあいまいだと、持ち場の間でボールが落ちることもあります。

分業には批判もあります。「持ち場どうしで対立が起きる」という声もあり、うまく回るかは会社しだいです(主張)。
Q3SaaS以外の会社とは、何が違うの?

SaaSの外では、分業もオンラインの営業もまだ少数派です。従業員50〜5,000名の会社の調査では、インサイドセールスを入れている会社は39.5%で、2021年からほとんど変わっていません(HubSpot Japan、2025年10月)。
つまり、訪問・対面が中心の営業からSaaSに移ると、オンライン中心で、持ち場を分けて、数字で振り返る働き方に変わります。ここに慣れられるかが、最初のポイントです。
「ISとFS、どちらを希望しますか?」と聞かれたら
それぞれの仕事を理解していることと、自分の強みを合わせて話します。
まずはISを希望します。
今の会社では新規のアポ取りで月に20件の商談をつくり、どの業界のどの役職に電話すると話が進みやすいかを記録して改善してきました。
ISで商談をつくる力を伸ばし、お客さんの課題を深く理解したうえで、将来はFSとして受注まで責任を持ちたいと考えています。
ポイント「どちらでもいい」ではなく、その持ち場で何を追い、自分のどの経験が生きるかまで話しましょう。
まとめ
- SaaSの営業は、マーケ・IS・FS・CSの4つの持ち場に分かれることが多い(The Model)
- 前の持ち場のゴールが次の持ち場のスタート。毎週・毎月、数字で確かめる
- 持ち場の数字だけを追うと全体が見えなくなる。渡して終わりにしない会社を選ぶ
- SaaSの外では分業はまだ少数派(IS導入39.5%)。オンライン・分業・数字に慣れるのが最初の山