SaaSのしくみ
売り切りと月額、売上が積み上がる理由

SaaSの営業は、
売ってからが
本番。
SaaS(サース)は、インターネット経由で使うソフトを、月や年ごとの料金で借りるしくみです。
動画や音楽の配信サービスと同じで、1回に払う額は小さくても、使い続けてもらうほど会社の売上が大きくなります。
まずは、SaaSの会社がどうやってもうけているのかを押さえましょう。
- 売り切りのソフトとSaaSの違い
- MRR・ARR・解約率など、SaaSの基本の数字
- SaaSの会社に営業の人が多い理由
Q1SaaSって、普通のソフトと何が違うの?


売り切りのソフトは、売った月に売上が一度に入ります。SaaSは、契約が続くかぎり毎月の売上が入り、お客さんが増えるほど積み上がっていきます。これをストック型の売上と呼びます。
有名な例がアドビです。2013年、画像や動画のソフトを箱で売るのをやめ、月額で使う「Creative Cloud」に一本化すると発表しました。
だからSaaSでは、受注はゴールではなくスタートです。使い続けてもらう仕事(カスタマーサクセス)が、そのまま売上につながります。
Q2SaaSの会社は、どんな数字を見ているの?

MRRは毎月決まって入る売上、ARRはそれを1年分にした数字です。会社の大きさを表す物差しとして、決算でもよく使われます。
大事なのが解約率です。月1%の解約でも、1年で約11%のお客がいなくなります。月3%なら1年で約3割です。新しく売っても、やめる人が多いと穴の空いたバケツになってしまいます。
| 会社 | ARR | 1か月の解約率 |
|---|---|---|
| Sansan(2026年5月期) | 499.8億円(前年比+20.2%) | 名刺管理のSansan 0.55% |
| freee(2026年6月期) | 436.0億円(+21.8%) | 約1.0% |
| マネーフォワード(2026年5月) | 476.7億円(+34.2%) | 法人のお客 0.8% |
| HENNGE(2025年9月期) | 111.4億円(+27.2%) | 0.33% |
ARRや解約率の数え方は会社ごとに違うので、横に並べて比べないでください。

Q3SaaSの会社は、なぜ営業が多いの?
SaaSの会社には、営業やマーケティングの人がたくさんいます。たとえばSmartHRは、従業員1,600人超のうち約6割がセールスとマーケティングの担当です(2026年7月)。
ソフトを作る会社というより、作ったソフトを売って、使い続けてもらう会社。だから、営業の経験を持つ人の転職先として人気があるのです。
freeeの人事労務の製品のように、お客さんの会社が従業員を増やすと料金も自動で上がる仕組みもあります。お客さんの成長が、そのまま売上の伸びになる設計です。
「なぜSaaSの営業に興味があるのですか?」と聞かれたら
売り切りとの違いと、自分の経験をつなげます。
これまで法人向けに事務機器を売ってきましたが、売った後のお客さんの使い方にまで関われないことに物足りなさを感じていました。
SaaSは使い続けてもらうことで売上が積み上がるので、受注した後もお客さんが成果を出すところまで責任を持てます。
売って終わりではなく、長くお客さんの役に立つ営業がしたいと考えています。
ポイント「伸びている業界だから」だけで終わらせず、売り切りとの違いを自分の言葉で話しましょう。
まとめ
- SaaSは、ネット経由で使うソフトを月額・年額で借りるしくみ
- 契約が続くかぎり売上が積み上がる(ストック型)。受注はスタート
- 見る数字はMRR・ARR・解約率・NRR。月1%の解約でも1年で約11%が離れる
- SaaSの会社は営業・マーケの人が多い。SmartHRは約6割(2026年7月)