CariBell
特別編3本中 2本目約4分

フリーランスの方へ② お金と働き方の比べ方

売上と年収をどう比べるか

ルート君

年収600万円の正社員は、
売上1,000万円の
フリーランスと同じくらい。

フリーランスから正社員に戻ると、年収が下がるように見えることがあります。

でも会社は、給料のほかにも、社会保険・有給休暇・退職金などのお金を払っています。

比べるときは、額面ではなく「全部でいくら受け取っているか」で見ましょう。

この記事でわかること
  • 会社が給料とは別に払っているお金
  • 売上と年収の比べ方(換算の目安)
  • 年収交渉の考え方

Q1正社員になると、年収が下がって損なの?

あなた今の売上は900万円くらいです。正社員の求人は600万円台が多くて、下がるのが怖いんです。
ルート君
ルート君額面だけを比べると、そう見えるよね。でも会社は、給料のほかにもたくさん払っているんだ。
年収600万円の正社員が受け取っている価値。給料600万円、会社が払う社会保険 約94万円、有給休暇 約25〜50万円、退職金の積み立て相当 最大約50万円。合計 約770〜790万円。2026年度の保険料率で試算(東京・40歳未満)。

まず社会保険。健康保険と厚生年金の保険料は、会社と本人で半分ずつ払います。年収600万円なら、会社が払う分は雇用保険などを合わせて年に約94万円です(2026年度の料率で試算)。

次に有給休暇。年に10〜20日、休んでも給料が出ます。フリーランスは休むと収入が0なので、その分は年収の約4〜8%にあたります。

そして退職金。大学・大学院卒で定年まで勤めた人の平均は1,896万円です(厚生労働省、2023年)。ただし退職金の制度がある会社は約75%で、会社によって違います。

厚生労働省の調査では、会社は社員1人に、現金の給料の約1.22倍のお金を払っています(2020年度)。

フリーランスは、国民年金(月17,920円・2026年度)と国民健康保険を全額自分で払います。病気やけがで休んでも傷病手当金はなく、仕事がなくなっても失業手当はありません。

Q2売上と年収は、どう比べればいい?

売上と年収の比べ方。正社員の年収×1.3〜1.7=同じくらいのフリーランスの売上。年収500万円なら売上650〜850万円。年収600万円なら売上780〜1,000万円。年収800万円なら売上1,040〜1,360万円。経費の多い仕事はさらに上。

フリーランスは、営業・事務・案件と案件のすき間で、仕事をしていない時間があります。働ける時間を8割とすると、年収600万円の正社員と同じになるには売上960万〜1,000万円ほどが必要です。目安は正社員の年収の1.3〜1.7倍です。

反対に、経費や共済などの節税で取り戻せる部分もあります。「節税で取り戻せるお金」と「会社員にしかない保障(傷病手当・育休の給付・失業手当・厚生年金)」は、分けて考えましょう。

あなた売上900万円だと、正社員の年収でいうと550〜700万円くらいと同じなんですね。
ルート君
ルート君そう。しかも正社員の給料は、波がなく毎月入ってくる。ローンや賃貸の審査が通りやすいという声も多いよ。

フリーランス時代に、自宅の一部を経費にするなどの節税をしていた人は、正社員になると使えなくなります。暮らしにかかるお金も見直しておきましょう。

Q3年収交渉は、どう考えればいい?

会社は、社会保険なども含めた人件費の総額で予算を組んでいます。フリーランス時代の売上をそのまま希望年収にすると、書類の段階で見送られることがあります。

年収交渉で見るもの
見るもの考え方
基準の年収会社員だったころの年収か、その職種の正社員の相場
売上からの換算売上を1.3〜1.7で割って、正社員の年収に直す
年収以外の条件リモート・フレックス・副業ができるかも条件にできる
入社してから評価のしくみと、何年でどれくらい上がるかを確かめる

戻った人の年収は、フリーランス時代の売上の7〜8割に落ち着くことが多いと言われます(人材会社の主張)。

調査では、正社員になる条件として「働き方の自由さ」(69.2%)を「今より高い年収」(57.5%)より重く見る人が多く、副業を続けたい人も約半分いました(2025年9月)。年収だけでなく、働き方でも交渉できます。

副業を認める会社は増えています。経団連の会員企業では、7割が社員の副業を認めている、または認める予定でした(2022年)。

面接ではこう話そう

「希望年収はいくらですか?」と聞かれたら

根拠をつけて、幅で答えます。

今の売上はおよそ900万円です。

社会保険や退職金なども含めて考えると、正社員の年収で600万円台なら同じくらいだと考えています。

そのうえで、入社後の成果に応じて上げていける評価のしくみがあるかを、大切にしたいと思っています。

ポイント売上をそのまま希望年収として言わないこと。換算の考え方を示すと、お金の感覚がある人だと伝わります。

まとめ

  • 会社は給料のほかに、社会保険・有給・退職金を払っている。現金の給料の約1.22倍
  • 年収600万円の正社員の価値は約770〜790万円。売上でいうと960万〜1,000万円ほど
  • 目安は正社員の年収の1.3〜1.7倍。節税で取り戻せる分と、会社員だけの保障は分けて考える
  • 年収交渉は換算の根拠を示し、働き方(リモート・副業)も条件にする

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