CariBell
特別編3本中 1本目約5分

フリーランスの方へ① なぜ今、正社員に戻る人が増えているのか

ルート君

フリーランスから会社員へ、
5年で約3倍。

フリーランスから会社員に戻る人が増えています。リクルートエージェントとdodaでは、フリーランスから会社員に転職した人が、5年前の3倍近くになりました(2024年4〜9月)。

「稼げなかったから戻る」人だけではありません。稼げている人も、チームで働くことや成長を求めて戻っています。

この読み物では、戻る人が増えている理由と、戻るかどうかの考え方を整理します。

この記事でわかること
  • 戻る人が増えている数字と、割り引いて見る点
  • 戻る理由の5つの型
  • 戻ると伸びやすい人・続けたほうがいい人

Q1本当に、戻る人は増えているの?

あなた周りでも、会社員に戻ったフリーランスが増えた気がします。気のせいですか?
ルート君
ルート君気のせいじゃないよ。大手の転職エージェントでは、フリーランスから会社員への転職が5年で3倍近くになっているんだ。
数字で見る正社員への回帰。2.8倍:リクルートエージェントでフリーランスから会社員へ転職した人(2024年4〜9月、2019年同期比)。2.7倍:dodaの同じ数字。18.4%:1年で正社員になった20代フリーランス(YOUTRUST利用者、2026年5月)。44.3%:一緒に働いたフリーランスに正社員を打診・検討した企業(2025年10月)。人材会社の自社データで、元の人数は非公開。

企業の側も前向きです。一緒に働いたフリーランスに正社員を打診・検討したことのある企業は44.3%でした(企業の人事106人への調査、2025年10月)。業務委託で働いた人をそのまま社員に迎える「トランジション採用」という言葉も広がっています。

ただし、2.8倍・2.7倍は人材会社の自社実績で、元の人数は公表されていません。フリーランス全体が増えた分も含まれます。マイナビの調査では、今のフリーランスの約9割が「この働き方を続けたい」と答えています(2025年)。全員が戻るわけではなく、戻る人が目立って増えている、というのが正確な見方です。

本業がフリーランスの人は約209万人です(総務省、2022年)。副業まで含めると1,000万人を超えるという民間の調査もあり、数え方で大きく変わります。

Q2どうして、戻る人が増えているの?

正社員に戻る5つの理由。1 収入の波(いちばん低い月が0円だった人32.4%)。2 社会保険とローンの審査(傷病手当・育休・厚生年金がない)。3 成長が止まる(背伸びの仕事が来ない、指摘してくれる人がいない)。4 AIで作業の仕事が減る(企画や戦略など上流が求められる)。5 チームで大きな仕事がしたい(正社員になった決め手の1位は一緒に働く人52.4%)。

1つ目は収入の波です。この1年で、いちばん収入が低い月が0円だった人は32.4%でした。満足していないことの1位も収入(42.4%)です(マイナビ、2025年)。

2つ目は保障と信用。フリーランスには、病気で休んだときの傷病手当金や育休の給付、厚生年金がありません。働きやすくするために必要なものとして「金融機関や不動産会社での社会的な信用」を挙げた人も44.4%いました(フリーランス協会、2026年)。

3つ目は成長。フリーランスには、今の力でこなせる仕事が来やすく、背伸びの仕事や、遠慮なく指摘してくれる上司がいません。「稼げているのに戻る」人の多くが、この理由を挙げています。

4つ目はAIです。文章や単純な作業の仕事はAIで減り、企画・設計・戦略など上流の仕事が求められるようになりました。ITフリーランスの案件は増えていますが、上流の仕事と出社ありの仕事に偏ってきています(フルリモートは約3割)。

5つ目はチーム。正社員になった決め手の1位は「一緒に働く人」(52.4%)で、「報酬の条件」(23.8%)を大きく上回りました(YOUTRUST、2026年)。お金より、人と信頼で戻る人が多いのです。

あなた私も、SEOの作業がAIで減ってきているのを感じていて…。
ルート君
ルート君それは、AIを使いこなして上流を担う側に回るチャンスでもあるよ。事業会社のマーケや支援会社で、成果まで責任を持つ人は求められているんだ。

インボイス制度(2023年10月)で事務や税の負担が増えたことも、きっかけの一つと言われます。2024年11月には、フリーランスとの取引を守る法律(フリーランス新法)も始まりました。

Q3戻ると伸びやすいのは、どんな人?

戻る?続ける?の目安
比べること戻ると伸びやすい人続けたほうがいい人
やりたい仕事企画・戦略・マネジメントなど、上流の仕事をしたい今の専門で、単価が上がり続けている
働き方の好みチームで大きな成果を出したい一人で完結する仕事が好き
お金と保障収入の波や保障が心配で、仕事に集中できない貯えと保険の備えがあり、波が気にならない
これから30代のうちにリーダーの経験を積みたい時間や場所の自由がいちばん大事

人材会社の話では、戻る人は「独立が早すぎて力が足りなかった20〜30代」「家族の変化で安定を求める40代」「AIの変化に敏感な人」「事業に深く関わりたい人」の4つの型が多いそうです(主張)。

気をつけたいのは年齢です。未経験に近い分野へ戻るなら、20代後半までが有利と言われます。40歳をすぎてから案件が減ったという声もあります。迷っているなら、早めに市場での自分の価値を確かめるのがおすすめです。転職サイトに登録して、どんなスカウトが来るかを見るだけでも目安になります。

面接ではこう話そう

「なぜ正社員に戻ろうと思ったのですか?」と聞かれたら

「一人では届かないこと」を前向きに話します。

フリーランスとして4年間、SEOとWeb広告の仕事を12社からいただいてきました。

成果は出せましたが、任されるのは作る工程が中心で、事業の成果まで見届けられないことにもどかしさを感じていました。

御社では、企画から成果までチームで責任を持ち、AIも使いながら事業を伸ばす側に回りたいと考えています。

ポイント「収入が不安定だから」「一人がさみしいから」は、本音でも最初に言わないこと。独立して得たものと、一人では届かなかったことをセットで話しましょう。

まとめ

  • フリーランスから会社員への転職は、大手エージェントで5年前の約3倍(2024年)。ただし元の人数は非公開
  • 戻る理由は、収入の波・保障と信用・成長・AI・チームの5つ。決め手の1位は「一緒に働く人」
  • 上流の仕事やチームでの成果を求める人は、戻ると伸びやすい
  • 未経験に近い分野へ戻るなら早めに。スカウトで市場での価値を確かめる

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